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2009年2月 8日 (日)

十二の旅、旅の途上。

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世田谷美術館で開催中の
「十二の旅:感性と経験のイギリス美術」に
行ってきました。

水曜日、東京に入って
地下鉄の吊ポスターを見て、
ユニオンジャックにまず目が行き、
そして「十二の旅」というタイトルに心惹かれ
上京中に行こうと思ってました。

用賀駅を出て、世田谷美術館まで1km強の道のり。
懐かしく思いながら歩きました。
5年前くらいに1度訪れただけなのに、
覚えているものですねー。

あれは夏も終わりに向かう頃。
美術館の中庭で開催された、スライドショウ。
夏の夜。
雨の降りそうな、薄い空の下。
雨が降らないかと不安で、
空を見上げながら歩いた道のり。

なだらかな斜面の芝生の上に座り
霧のような雨の中、
大きなスクリーンが風に少し揺らいで
映し出された昆虫の死骸が、
生きているようにゆらりと動いたのを
思い出します。

駅から、
せせらぎ沿いの歩道を歩き
住宅街を過ぎたら、
公園の入り口。

ケヤキ並木を抜け、
5分咲きの梅林の横を通り、
ヒマラヤスギの林の手前に
美術館はあります。

公園はずっと、
梅の花の甘く爽やかな香りでいっぱい。
常緑樹が影を落とし、光を映し、
歩道は、光と影のモノクロの映像。

ケヤキの枝は細く高く、
空は青く高く。

もうそれだけで、
なんて素敵な休日。

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「十二の旅」は、
12組のイギリスの芸術家たちの作品展。
有名な、ターナーやムーアは知っていたのですが、
あとは全く初めての名前。
(私の知識不足のせいなんですが・・・)
絵画に留まらず、陶芸、造形、映像、写真にいたる現代美術まで。

12もの違った表現を見るのは、
12通りのエネルギーを受けると言うことで、
一つ見るのにも相当消耗するので、
後半は、景色がゆがんで見えたり、
ゆらゆら揺らいで見えました。

一つ一つの旅の様子を
お伝えするとなると、相当な長さになりますので、
「光と影と、時間」
「ミクロからマクロへ」
このキーワードを全体の感想に。


そして、その12の旅の中の
ひとつの旅。
これが私の心を大きく動かします。

アンディ・ゴールズワージーという芸術家。
このブースに入ったとたん、
呼吸をするのを忘れていました。
息もつけない中、
自然と涙があとからあとから。
鼻水もあとからあとから。


涙目鼻水のまま、
そのブースを4周半回りました。
美術館の学芸員?監視?の方が
ブースの出口に居て、
なので、恥ずかしくなり、
5周でなく、4周半。

その作品は、自然。
大地の上にあるもの、空からやってくるもの。
それらを使った作品。
目の前にあるものは「写真」というプリントをされたもの、
プリントに真実は写らないんだけど
そこには、「時間」という真実が写っていました。
その形にするまでの時間。

純粋に、ただただ感動でした。
ことばにすると陳腐ですが
感動で泣けました。


たまたま見かけた吊りポスター。
ちょっと行ってみようかな、って軽い気持ち。
それが、こんなにもすばらしい感動に繋がるなんて。

「書を捨てよ町へ出よう」
寺山修司は言っています。

あ、受付で借りたBの鉛筆
(美術館はペン類禁止)
返すの忘れたので、また機会があったら
返しに行こう。

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